「ピッチングデザイン」感想

お股ニキさんの本はこれで3作目です。素人ながらも鋭い視点で野球について述べる方で、そういう考えがあるのかといつも感心しています。実際にプロの選手も愛読されている方が多く、特に投手の方によく読まれている印象です。

 

本の内容について詳しくは書けませんが、思ったことについて書いていきます。

 

まず、本書はピッチングデザインという題名の通り、ピッチャーに関する内容がメインでした。変化球、配球、制球、守備など、それぞれ具体的な例を用いて説明されていました。

正直、草野球でピッチャーを少しやる程度の人間からすると、ここまで考えるのか、、、そんなことできるのか、、ということも多く、一流の投手のすごさ、意識の高さに驚かされました。質の良いストレートを投げて、鋭い変化球を投げられればある程度は抑えられるという考えでしたが、それが正解ではあるが、間違いでもあると気づきました。

「いかに点を取られないか」がやはり大事なので、相手の打者だけを考えていてもいけなく、本当に神経を使うのだなと感じました。現在のトレンドはある程度理解できたので、開幕した時はそういうところにも注目して観戦をしたいです。

投手と打者の駆け引きは見ていて楽しいですが、一球一球のわずかな時間で彼らはいろいろなことを考え、とても集中していると思うと、少し見方が変わってきました。

データ野球になりつつあり、ある程度配球であったり、打球方向などは予想できるようになり、それを踏まえた駆け引きになっており、キャッチャーはもちろん内野外野の選手もより頭を使わなければいけなくなってきたと感じます。それも、投手が投げる間わずか10数秒の間で頭の中を整理しておかなければいけない。これは慣れないと難しいなと思います。

 

本書で提示された変化球の数々も習得できるとかなり実践で使えると思いますが、自分がもし投げられるようになったことを考えると、あの球場の雰囲気、打者の威圧感、緊張などが重なり抜け球になることしか想像できません。

器用であってもあのマウンドで投げられるのは本当に練習してきて自信をつけないと到底無理だなと思いました。一球のミスで勝敗が決まるこのスポーツでそういうのが求められる。彼らの凄さは言葉で表せられないですね。

基本がいかに大事か考えさせられました。これは野球に限らないです。ただ、競技ということもあって相手に勝つためには相手よりも上回っている必要があります。どのようにして相手を圧倒するか、それを考える上でのデータ活用、変化球の軌道、配球などはとても大事でしょう。従来の戦法で通用しなくなった時のために引き出しを持っていることの大切さ。また、最新の戦術に敏感になり、それをどう自分なりに受け取り活かすか。それが”基本”になっていくのだなと感じました。

 

あまり関係ありませんが、本書の中で中村選手、浅村選手、森選手、岸選手、涌井選手、牧田選手など、(元含む)西武の選手の名前が多数上がったことはとても嬉しいです。

投手むけの本でありながら名前の上がった野手の選手たちは、投手から見て