ホワイトだけどブラックな話
今週のお題「ホワイトデー」
小学生の頃の話です。
バレンタインデーでクラスの女子がみんなに義理チョコを配るという恒例行事がその年もありました。例年は2人くらいの女子が配っていましたが、その年は4人の女子が配ってくれました。とても嬉しい気持ちで家に持ち帰った記憶があります。義理とはいえ嬉しくない男子はいないもので、その場で嬉しそうに食べる子もいれば、笑顔で慎重にバッグに入れる子、バッグに入らないため、心配そうに一度ロッカーに入れる子など、様々でした。
私の心配事といえば、ホワイトデーでした。例年はなにを返していたかもう覚えてませんが、4人となるとさすがになにもしないわけにはいきません。
といっても、学校が終わってからすぐに公園に向かうような人間はそんなこと考えても実際に行うはずがありません。結局、ホワイトデーをなにもせずにむかえることになりました。クラスの女子と仲の良い男子がクッキーを作ってみんなに配るくらいで特に例年通りのホワイトデーだった
はずでした汗
男子が作った女子へのお返しの余り物をもらった男子たちは、冗談半分でロッカーにしまおうとします。作った男子も「おいおい笑」とツッコミを入れます。その子はいじられキャラだったので、そのことについてはなにも起きなかったのですが、みんながロッカーを次々に開けた時にそれは起きました。
「なんか変な匂いしないか?」
男子のロッカーなんて臭いものですが(偏見)それにしても少し気になる匂いがしたのは覚えています。匂いの方へ視線が集まり、1人のロッカーへとたどり着きます。
そのロッカーには4つのチョコが置いてありました。(??)
その子はイケメンで、頭の良かったので、本命チョコか?とみんなは思いましたが、正体はすぐにわかりました。なぜなら、みんな同じチョコをもらったからです。そのことを聞きつけた女子で少し泣いてしまった子もいました。笑っていいのか怒った方がいいのかわからない時間を過ごしてホワイトデーが終わりました。
来年のバレンタインデー、その子だけもらえなかったのは今でも有名な話。