わたしはなまえすら言えない

これは私がバンクーバーに短期留学したときの話です

 

 

日本からバンクーバーに着き、ホームステイ先のお家に向かいます。そして、無事に辿り着き、歓迎されます。

Nice to meet you などを言われた後、私もNice to meet you と言い、お互い知っているはずですが、自己紹介を改めてしました。すると、ホストマザーは「会えて嬉しいよ、リヨ!」的なことを言いました。リヨ?と聞き返すと、言いにくそうに「リオウ、リ、リヨ」と言ったりします。「リョウ」と言ったつもりが「リヨ」だか、「リオウ」だか言われ、わたしは名前すらろくに発音ができないのかと日本に帰りたくなりました。

「え、リヨってなんやねん。ここらへんでは歓迎するときに使われる言葉なんか?それともこの人たちブラジル語でも最近勉強してるのか?」と、わたしの発音の問題ではなく、そういった言葉がある、もしくはホストマザーに何か理由があるのではと考えることも一瞬ですがありました。

 

リヨってなんだろうと不思議に思いながらも詳しい自己紹介を含め、様々な話をしていきます。とても優しい方々で、安心しました。ただ、謎は消えないままでした。

二日目に語学学校でオリエンテーションがありました。バスで50分ほどの場所にありました。受付にいる女性に自分の名前を伝えると、少し時間をかけて私の書類を見つけます。発音が悪かったのでしょうか。名前もはっきり言えないのかなと不安が残ります。この日から通う生徒が集まり、陽気な若い男性から説明を受けます。その後にゲームをして楽しい時間を過ごします。

説明も終わり、最後にクラス分けのためのテストを受けます。筆記試験と、面接がありました。筆記試験の中に、最近のニュースについて自由に記述するものがあり、自分でも驚くほどのうっっっっすい内容で欄を埋めたのを覚えてます。面接では笑いも起きるほどのゆるい雰囲気で話が進められていきました。面接というか面談でしょうか。その途中、「どうしても気になることがあるの」と言われます。あ、もちろん英語でです。何かまずいことでもあったのかと恐る恐る聞きます。すると、メガネをかけた50代くらいの女性の先生が、様々な英単語の書かれた紙が貼られているホワイトボードの前に立ち、何かを書き出します。

「Ryoh」 

 

「これはリヨなの?それともリョウ?」と聞かれました。

「リョウだよ」と伝えると、

「アハハハハハ、やっぱりそうなのね! 毎年くるのよね。Ryohっていう男の子。

リヨかリョウか一応聞いてるけど、ほとんどリョウなのよ」

っっっっっ!!

はっきり理解しました。私の名前は「りょう」で、普段から英語の授業では名前の欄にRyoと記述しており、特に何も問題がなかったのですが、留学をする準備の段階ではパスポートに記載されている名前で知られます。昔に作ったパスポートで、母親に「Ryoh」と書いてもらったのを忘れていました。なぜRyohと書いてもらったのか聞くと、「覚えていない」と返されます。。あまり英語に詳しくなかった頃ですが、確かにそのスペルだとリョウよりもリオウみたいだなと思いました。

この面談を受けるまで、みなさんが私の名前を言いにくくしていた原因がわかりました。

ホストマザーが「リ、リウオ」と毎回言いにくそうにしているのがおかしく、「リョウ」だよと教えてあげましたが、それでも「リュオウ!」 と、普段使わない口の使い方をするからかわかりませんが、私が日本に帰るまでうまく言えなかったのは今でも覚えてます。

 

 

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